がん患者さんへの心理的支援(サイコオンコロジー)
日本の死因の第1位はがん。
一生のうち日本人の2人に1人はがんになる時代といわれ、心理的支援(サイコオンロジー)の充実が望まれています。
生涯罹患率:男性63%、女性47%、死亡率男性25%、女性16%
サイコオンコロジー(精神腫瘍学)とは・・・心理学と腫瘍学との組み合わせによる造語、がん患者さんやその家族に対して心理学的にアプローチする専門領域。
4つの経過・・・がん患者さんの心理的な反応について4つの経過に分けて考えます。
①がんの診断(告知)
②初期治療
③再発
④積極的治療の中止・終末期
がん患者さんが遭遇する問題
①身体的問題
②精神的問題
③社会・経済的問題
④実存的問題・・・スピリチュアルペインとよばれ、人生の意味や目的が喪失することへの苦悩、孤独感、希望のなさ、死への不安、自己肯定感の喪失など自己の存在と意義の消滅から生じる苦痛がみられる。
⑤生活の質(QOL)の低下
当院では、縁あってがん患者さんの心理的支援をやってきています。
妻の父も前立腺がんと向き合っています。
上記にあるすべての段階と問題を経験させていただいています。
終末期医療における死の受容を述べたキューブラー・ロスは、がん患者さんの心理的反応を否認→怒り→取り引き→抑うつ→受容と5つの段階に分けました。
実際には、この順番とは限らず、心理的状態が混じり合っています。
参考文献:公認心理師必携テキスト、公認心理師現任者講習会テキスト